2022年度 成果報告 「人間と生物圏」共生を基軸としたESD 研究拠点
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拠点成果報告資料(2022年度)
(1)論文等
1. Kayanne H, Hara T, Arai N, Yamano H, Matsuda H (2022/4) Trajectory to local extinction of an isolated dugong population in Okinawa Island, Japan. Science Report 12:6151.
2. Watanabe A, Matsuda H (2022/10) Effectiveness of feedback control and the trade-off between death by COVID-19 and costs of countermeasures in Japan. Health Care Management Science 6:1-16.
3. 松田裕之 (2022/10) 利用と保全の調和を目指す「自然共生サイト」:国際標準となった自然との「共生」. 論座. :2022.10.16.
4. Clüsener-Godt M, Watanabe T, Matsuda H (2022/11) Message from Japan on the occasion of International Day for Biosphere Reserves. Japanese National Commission for UNESCO 国際生物圏保存地域の日に寄せた声明
5. 松田裕之(2022)知床世界遺産と北方領土問題. グローバルネット特集「国境を越えた自然保護:世界の平和構築を目指して.
6. 倉田薫子,原口健一,河内啓成,高芝麻子(2023)生物文化多様性の観点に基づく生物多様性理解のための実践研究:小学生に向けたE-STEAM試論.環境教育学会関東支部年報第(17)73-78.
7. 「里山でつなぐESD考」教科書・報告書(編集:高芝麻子)
(1)倉田薫子.生物多様性からみる里山(p.6-19)
(2)原口健一.里山 〜道具が持つ意義〜(p.38-42)
(3)河内啓成.里山を表現する―【美術】観察すること、表現すること(p.48-53)
(4)高芝麻子.里山の落ち葉で作るわたしたちの漢詩(p.71-77)
(5)物部博文.里山のくらしとウェルビーイング(p.78-83)
(2)講演等
1.倉田薫子,世界遺産・生物圏保存地域・ガラパゴスの自然と共存への歩み.第5回MAB/PES研究会.2022年5月24日講演.
2.高芝麻子.詩を求めて出かける詩人たち.神奈川県漢詩連盟講演会,2022年11月2日講演.
3.松田裕之.コロナ禍後の人間と生物圏の新たな関係-BRoSSが目指すもの.ユネスコチェアキックオフシンポジウムー生物圏保存地域を活用した持続可能な社会のための教育ー.2022年11月21日講演.
4.倉田薫子.生物文化多様性と環境共生型社会-里山を活用したESD―ユネスコチェアキックオフシンポジウムー生物圏保存地域を活用した持続可能な社会のための教育ー.2022年11月21日講演.
5.松田裕之.都市科学シンポジウム「丹沢大山ユネスコエコパークの意義と可能性を語る」2022年12月10日講演.
6.松田裕之.森林の調整サービスの価値と森林環境譲与税について: かみかつ談議所「上勝の未来:未来の森林空間②」, オンライン, 2023年1月14日講演.
7.河内啓成.サイエンスカフェ「アート思考でつくる里山の未来」2023年2月28日実施.
8.倉田薫子.「企業・行政・地域ができる生物多様性保全とは?ウェルビーイング・SDGsと繋ぎ合わせた実例から学ぶ産官学連携シンポジウム」EWJシンポジウム,2023年3月10日登壇.
9.倉田薫子.現代的教育課題に向き合う横浜国立大学「人と自然共生圏プロジェクト」2023年3月29日講演.
10.高芝麻子.古典世界に詠われている気象現象.「マジックアワー天空が魔法にかかる時」NHK 3月29日(水)出演.
(3)ESDの実施
1.学部ESD「Team竹」学生団体の設立と活動(4回)
学内の資源を利用してESDを考えることをテーマとして活動に学生が参加し,継続的なメンバー(約10名)として活動を開始した。
2.授業内における取組(河内,基礎演1年生17名,1回)
1年生の必修科目基礎演習の中で,竹伐り体験を実施し,学内整備と切った竹材の利用について考えさせた。
3.授業内における取組(倉田,理科専攻2年生20名,全5回シリーズ)
①学校で取り組めるESD活動を考案する活動を実施し,SDGsターゲットの相互の関わりを考えさせた。グループディスカッションを通して,各自が考案したESDを深化させた。
②学内竹林整備作業をおこない,自分で切った竹を使った竹工作を実施した。工具の使い方,竹の特性などを体得した。また里山に関する調べ学習後,実際に川崎市黒川の里山見学に出かけ,元川崎市職員による解説を聞きながら,現代里山の問題点を考察した。
4.附属鎌倉小学校2年生の宿泊研修における竹細工指導助言(倉田,原口,小林)
附属鎌倉小学校からの要請を受け,教員に対する助言をオンラインで行った。実際の宿泊研修(2022年7月7日)では,初めてノコギリを握る小学生3クラス120人に対して,技術的指導を行った。
5.保土ヶ谷区連携事業における講座(計5回,倉田,原口,河内,高芝)
保土ケ谷区連携事業「がやっこ教室」にて,小学生向け講座を行った。合計の参加者数60名(小学生のみカウント)
①虫ホテルの作製(2022年8月5日午前・午後,8月13日午後の計3回実施.原口,河内,倉田).
竹を利用した虫ホテルの作製を指導した。虫ホテルは生態系の系全体を保全する目的で,開発予定の敷地に虫の避難所として活用した。子どもたちには,虫ホテルの意義について考えてもらい,生物多様性理解の一助となったと思われる。
②自然物をモチーフとした版画の製作(2022年12月18日,河内,倉田)
学内散策を通して自然とふれあい,自然の造形を使った版を作成して版画を印刷した。
③学内の材を活用した門松づくり(2022年12月27日,原口,倉田,高芝)
ものづくりと門松の歴史を融合させ,日本の伝統文化とお正月に使われる植物の説明を行った。門松にかざる材を採集するため自然観察を行いながら学内散策をしたことが大変好評であった。
6.里山ワークショップ祭(主催,倉田,河内,高芝,原口,2022年11月20日)
小学生とその保護者を対象として自然の材を用いたワークショップを行い,体験的な学びを試行した。大人には学術的な内容のパネル展示を通して,ESD概念に触れる機会を提供した。
7.横浜市スポーツ協会との連携イベント(共催,小林,物部,2022年11月20日)
三ツ沢公園での飯盒炊爨の後,横浜国立大学構内で木育に関するオリエンテーリングを行い,そこで得た材料を使ってリースづくりをした。
8.横須賀市みんなの理科フェスティバル出展(倉田)2023年1月21-22日,横須賀市文化会館
小学生から高校生までが参加する理科イベントにおいて,本拠点の取組み紹介のポスター展示を行った。
9.生物多様性に関する意識調査(倉田,奥平)
小学校高学年約60名,中学生約270名,高校生約150名,大学生約100名,保護者約150名の合計約730名に対し,アンケート調査を行った。生物多様性に関する意識が年代別にどのように変化するのかを調査し,今後のESDプログラム開発においてターゲットとする年齢層,内容の検討を行うこととした。
10.小学校2年生向け生物多様性の授業(倉田)2月2日相模原市立小山小学校
生物多様性に係る環境学習の一環として,授業を行った。学校教育の中に組み込まれていな生物多様性の概念について,低学年への埋め込みが可能か検証した。
11.少年院における生物多様性教育に向けた取組(2022年5月~継続)
少年院における矯正教育に生物多様性教育を導入することについて,検討を開始した。在来種の保全と少年院3庁および近隣小中学校への栽培は今年度すでに開始し,生態系保全のための虫ホテルを2か所に設置した。本取組みは次年度以降,高等研究院での研究課題として継続していく。
(4)その他
1.科学研究費採択
題目:異分野融合ESDを創発できる教員養成プログラム開発-生物文化多様性を体験/理解する
研究代表者:倉田薫子
2.地域や関連団体との連携ネットワークの構築
3.次期生物多様性国家戦略(案)に対するパブリックコメント提出(倉田)2023年2月27日
4.情報発信
①ウェブサイト 里山ESD base https://satoyama-esd.ynu.ac.jp/
②SNS Twitter,Facebook,Instagram